電子回路わからん日記

にゃーんと言いながら電子回路いじってます

自作リニアレギュレータの基板設計

前回のシミュレーションに引き続き, 今回はレギュレータの基板をKiCadで設計します.

audio-diy.hatenablog.com


謝罪

申し訳ございません.やらかしてしまいました.

最初の基板図を改変しているため,オリジナルの画像がありません.orz

 

ということで,AUDIYのツイートでその経過を見ていただければと思います.


設計の経過

ツイートを振り返ると,徹夜で基板を設計したようです.

ちなみに回路図は以下のようにしました.

この回路図のツェナーダイオードの定電流源が,例のやらかした箇所です.

audio-diy.hatenablog.com

 

その後,スルーホールのパターンはティアドロップを打ちました.

で,発注しました.

ちなみに,JLCPCBに依頼しました.

基板色変更は無料だったので(1ヶ月に1回送料込み無料で発注可能で有名な)ALLPCBに負けず劣らず太っ腹な業者です.

 

jlcpcb.com

 

www.allpcb.com


工夫点

2層基板で設計しましたが,オペアンプに供給する電源以外の配線はビアで層をまたぐことの無いようにしました.

 

つまり,リードタイプのコンデンサのスルーホールのみで層をまたいでいます.

これにより,配線をできる限り太くすることを意識しました.

 

また,AUDIYは電子回路ド素人ですから,保護ダイオードは調べた限り全て入れています.

 

あと,コンデンサから他の部品への配線は必ずコンデンサのハンダ部分から直接受け渡すようにしたり,負帰還で5.1V以上出せるようにランドをつけたりしていますが,これらが性能に直結するかは正直わかりません.


到着!!

基板が到着したはいいんですが,ここで盛大に「やらかし」ていることに気づくのでした・・・・・

 

まぁ,その話は別途「やらかし」カテゴリーで取り上げたいと思います.

自作リニアレギュレータのSpiceシミュレーション

お久しぶりです.

今回は自作リニアレギュレータの簡易的な回路をLTspiceを用いてシミュレーションしていきたいと思います.


シミュレーション回路

早速ですがシミュレーション回路は下図の通りです.

f:id:AUDIY:20210708003933p:plain

 とりあえず9Vから5.1Vが出力されることを目標とします.

なお,シミュレーションでは5.1Vのツェナーダイオードのモデルがないため6.2Vで行います.


無負荷での出力電圧測定

まずは無負荷で出力電圧を見ます.

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正負ともに6.2V付近で出ています.


無負荷でのドロップアウト電圧

次にドロップアウト電圧を調べます.

0Vから9VでDCスイープさせます.

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6.9Vあたりで出力電圧は横ばいになってますのでシミュレーションどおりにいけば約0.7Vになります.

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負電圧もだいたい同じ感じですね.


PSRR

念の為PSRRも見ておきます.

直流に交流スイープを重畳させて入出力間の振幅比を見ます.(10Hz-100kHz)

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正直なところ,正しくシミュレーションできているか怪しいですが最小で-43dB程度のPSRRを得られているかのような結果になっています.

(出力電圧÷入力電圧のボード線図引けばPSRRの周波数特性って見れますよね・・・?)


とりあえず,無負荷では正しく電圧が出そうということはわかりました.

実際に回路で動かしてみないとわからないことも多いので,あまりシミュレーションには時間を割かずに回路を起こしてみたいと思います.

 

次回はKiCadで基板を作成します.

自作リニアレギュレータの部品選定

こんにちは。AUDIY(    )です.

 

今回は前回に引き続き,自作リニアレギュレータの部品選定に取り掛かりたいと思います.

 

前回の記事はこちら.


電圧リファレンス

Analog Devicesは電圧リファレンスICなるものを生産しているようですが,今回はオーソドックスにツェナーダイオードを使いたいと思います.

 

電圧ですが,低ノイズ志向で作るのであれば5.1Vや6.2Vあたりが良いとのことです.

職場でこのことを聞いたときは目からウロコでした.

どうやら6Vを超えたあたりで支配的となる動作状態が変化し,ノイズが増えるようです.

 

ということで今回は電圧リファレンスに5.1Vツェナーダイオードを用います.

あとは許容損失で選んで行く感じになるかと思いますが,動作に必要な電流を小さくすればそこまで大きなものは必要ないかなと思います.

 

今回は0.2mA以上の電流で5.1Vを発生するRohmのUDZV5.1Bを使います.

www.rohm.co.jp


オペアンプ

せっかく電圧リファレンスが低ノイズでも,このオペアンプがノイズを吐き出してはもったいないのかなと思います.

 

下記記事のMSBのように2回路オペアンプを使って電圧リファレンス+フィルタによるインピーダンスをバッファで吸収するのもやってみたいですが,これだと部品点数がいかんせん増えますし,その分定数を煮詰めないといけません.

innocent-key.com

 

それは次世代以降のお楽しみとして,今回はオペアンプ1つでシンプルに行こうかと思います.

 

この回路においてどんな特性が支配的なのかは想像がついていませんが,多分ノイズ密度かなと思います.

オペアンプとしてはべらぼうに高くない,低ノイズ品が秋月にあるようなので以下を使ってみたいと思います.

 

2回路ありますので,これで正負両電源を制御できればと.

akizukidenshi.com


バイポーラトランジスタ

出力トランジスタおよび,ツェナーダイオードの定電流源に用います.

別品種を揃えるのも面倒くさいので,NPN、PNP各1品目で行きたいと思います.

 

低ノイズだと順当に2SA1312・2SC3324あたりでしょうか.

akizukidenshi.com

 

正直トランジスタは多すぎるので誰かオススメをご存知であれば教えていただけますと幸いです.


コンデンサ

低ESR品は前提として,PMLCAPを主軸に使っていきたいと思います.

ただしPMLCAPは容量が小さくなりがちなので,必要な箇所にはフィルムコンデンサも使うかもしれません.


抵抗

許容損失に注意しつつ,高精度なものを使います.

基本的にはチップ抵抗,電流が流れる箇所にはMELF 1/4Wなどで対応する予定です.

www.mouser.jp


必要な部品はこのあたりでしょうか.

 

次回はLTSpiceを使ってこれらの部品でシミュレーションしていきます.

 

やらかし定電流源

「やらかし」カテゴリーなるものを作りました.

このカテゴリーを見ればいかにAUDIYが電子回路素人かがわかるかと思います.


定電流源

AUDIYは定電流源の使い分けが未だにさっぱりです.

定電流回路については下記記事をよく参考にするのですが,

nw-electric.way-nifty.com

カレントミラーとフィードバックの使い分けなんてサッパリです.私はこの使い分けを明確にした記事を見かけたことがありません.

 

素人疑問ですが,そもそも「一方の電流値が変化してもう一方も変化するようなカレントミラーを定電流源として使っても良いのでしょうか・・・?」


供養

 ということで,今回やらかした回路を供養しておきます.

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やらかし定電流源

もともと上図の回路に対し違和感は拭えなかったんですが,下記記事を見て違和感の正体に気づきました.

tanukitanushi.com

 

いやーーーーーーーーー,ひどいw.

 

トランジスタのベース・エミッタ間電圧の本質が理解できていませんね.それとエミッタ抵抗でコレクタ側の電流値を決定するというのに・・・

 

そして2SC3324(NPNトランジスタ)を2SA1312(PNPトランジスタ)に変更しましたとさ.チャンチャン.

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直した定電流源

 

自作リニアレギュレータの経緯と構想

こんにちは.AUDIY(   )です.

 

自作オーディオをしていると数多くの名言に出会います.中でもその一つが

”電源回路を制するものはオーディオを制する!”

です.

 

・・・・嘘です.今思い付きました.w

 

ということで今後オーディオを自作する際のリファレンス直流電源とする「リニアレギュレータ」を作っていきたいと思います.


 経緯

私が自作のリニアレギュレータに興味を持ったのはInnocent Keyさんの下記の記事です.

 100万円を超えてくるような高級オーディオ機器では,DACチップの電源にモノリシックのレギュレータICではなく,オペアンプと周辺部品を組み合わせたようなディスクリートレギュレータが多用されているようです.

 

個人的にESOTERICが無帰還シリーズレギュレータ(と推察される)を使っていることには驚きましたが・・・こうやって見るとリニアレギュレータの基本回路はシンプルなんですね.

 

であれば今後自作オーディオをするうえで,こういったところでアイデンティティを出すのも悪くありません.量産もしませんし.


回路構成 

まず電源レギュレータの構成ですが,一般的に「リニアレギュレータ」と呼ばれる方式には細かく分類して「シリーズレギュレータ」「シャントレギュレータ」の2つの方式があります.

 一般的にはシャントレギュレータはシリーズレギュレータに比べて消費電力の面で不利になるようです.今回はヘッドホンアンプなどのアンプ回路でも使うことを想定し,シリーズレギュレータを自作していきたいと思います.

 

・・・・え?ESOTERICと同じ無帰還ですか?

 

興味が無いわけではありませんが,総じて部品精度が要求されるのでテスター類の環境が揃ったときにでもまた挑戦したいと思います.


次回より部品選定に入っていきたいと思います.

 

まずはモノリシックオペアンプとツェナーダイオードトランジスタと周辺部品を組み合わせて行こうかと.

自己紹介

初めまして.AUDIYと申します.

オーディと読みます.

 

皆様からの興味が意外と高いようで,備忘録も兼ねてブログに書くことにしました.

何卒よろしくお願いいたします.


本ブログのテーマ

主に電子回路やオーディオの自作について書いていきたいと思います.


 AUDIYについて

大学ではソフトウェアを専攻していましたが,何をトチ狂ったのか就職と同時に電子回路設計へジョブチェンジ(?)しました.

 

大学でも一応は電子回路,電気回路の基本的な授業は受けてきましたが,回路関係の成績は「ズタズタ」(危うく単位を取得できたくらいです)でどうも学生時代は回路の自作に前向きになれませんでした.

 

就職して研修で初めて作った回路もダイオードに過電流を流して燃やしてまったり,逆接続で電解コンデンサを爆散させるくらいには,電子部品の動作原理を理解できていません.

 

ただ回路の自作に興味自体はあったので,社会人になったのを機に勉強しなおそう,というわけです.


今後の予定

私のTwitterアカウントをご存知のかたであればすでに知っているかと思いますが,

現在「SPDIF Optical→I2Sコンバーター」なるものを作っています.

 

他にもディスクリートオペアンプだったり自作ΔΣDACだったり「フルモノリシック・DCカップリングヘッドホンアンプ」なるものを開発したりしていますが,おそらくはこのコンバーターが最も早く産声をあげるかと思います.

 

それらの経過を含め,知識皆無の私がやらかした回路の供養記事とかも書いていきたいと思います.

 

 今後もどうぞよろしくお願いいたします.