電子回路わからん日記

にゃーんと言いながら電子回路いじってます

自作リニアレギュレータの入出力電圧特性の計測

久々にリニアレギュレータの話題です.

 

audio-diy.hatenablog.com

 

実際に直流安定化電源とAnalog Discovery 2を使って,(ほぼ)無負荷で入出力電圧特性を計測してみました.

 

で,計測した結果をグラフにしたんですが,

 

こちら正電源側.

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そしてこちらが負電源側.グラフを視覚的に比較しやすいよう,こちらは符合を反転させています.

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負電源側の入出力電圧差が1V前半なのは,エミッタ出力でダーリントンのフォロワを最終に入れているので「こんなもんかな」と納得がいきますが,正電源側の入出力電圧差が3V近いのは電源レギュレータとしてはあまりにも不便すぎる特性です.

 

いちおう9V以上で安定動作することを目標としていたのでそこはクリアできていますが,正負でこれだけの差があるというのも不思議です.全てコンプリメンタリトランジスタで構成していますし.

 

今回のレギュレータは全帰還をかけているため,最も怪しいのはツェナーダイオードに電流を供給する定電流源かと思われます.(ツェナーダイオードの電圧が固定されるまでの十分な電流が供給されていないと予想しています.)

 

次回はツェナーダイオード直近の入出力電圧差を計測し,ここが本当に原因なのかを探っていきたいと思います.

IP2721-MAX12を入手した

ちょっと気になっていたICがあり,価格も安かったため入手しました.

このIC一個でUSB PDの固定電圧を取り出せます.

pdqc.net

pdqc.net

 

似たような機能のICはRohmから出たりもしていますが,外部電源からの給電が必要だったり,制御が必要だったり周辺部品が多かったりします.

www.rohm.co.jp

 

今回購入したICはIC本体と周辺部品10点未満でPD給電環境を構築可能なので,当ブログ管理者のようなド素人にはうってつけです.

 

早速基板も描きました.

IP2721のシンボルやフットプリントの登録があったので,今回はいつものKiCadではなくEasyEDAで描きました.

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これどう考えてもUSBコネクタのハンダ付けはリフローじゃないと実装できそうに無いですね・・・・

 

IC買った,基板描いたはいいですがどないしましょ・・・・

 

通信部分でのクロストークを軽減するためにちゃんとGNDを挟んでます.(ちょっと幅が狭い気もしますが・・・・)

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給電専用のUSB Type-C オスコネクタがあれば良いんですが見つけることができませんでした・・・

 

とりあえず基板を発注したいと思います.

 

やらかしレギュレータ基板設計

やらかしカテゴリ2回目,今回は,現在シリーズで進捗を報告している「自作リニアレギュレータ」です.

audio-diy.hatenablog.com

基板が上がってきて

実装し,

いざ,評価!

 

・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

これではオシロスコープを使うのもちょっと怖いです.


さっそく改良する

で,早速改良しました.

ピンヘッダの間隔を広げたはいいんですが,いざ届いたものを確認すると・・・・

・・・・

・・・・いや,おい!w


3度目の正直なるか・・・?

次に発注するときこそは成功させたいです.

失敗した基板を使わないのももったいないので,どうにかこうにかしたいと思います.

 

みなさま,基板を注文するときはくれぐれもお気をつけください.

自作リニアレギュレータの基板設計

前回のシミュレーションに引き続き, 今回はレギュレータの基板をKiCadで設計します.

audio-diy.hatenablog.com


謝罪

申し訳ございません.やらかしてしまいました.

最初の基板図を改変しているため,オリジナルの画像がありません.orz

 

ということで,AUDIYのツイートでその経過を見ていただければと思います.


設計の経過

ツイートを振り返ると,徹夜で基板を設計したようです.

ちなみに回路図は以下のようにしました.

この回路図のツェナーダイオードの定電流源が,例のやらかした箇所です.

audio-diy.hatenablog.com

 

その後,スルーホールのパターンはティアドロップを打ちました.

で,発注しました.

ちなみに,JLCPCBに依頼しました.

基板色変更は無料だったので(1ヶ月に1回送料込み無料で発注可能で有名な)ALLPCBに負けず劣らず太っ腹な業者です.

 

jlcpcb.com

 

www.allpcb.com


工夫点

2層基板で設計しましたが,オペアンプに供給する電源以外の配線はビアで層をまたぐことの無いようにしました.

 

つまり,リードタイプのコンデンサのスルーホールのみで層をまたいでいます.

これにより,配線をできる限り太くすることを意識しました.

 

また,AUDIYは電子回路ド素人ですから,保護ダイオードは調べた限り全て入れています.

 

あと,コンデンサから他の部品への配線は必ずコンデンサのハンダ部分から直接受け渡すようにしたり,負帰還で5.1V以上出せるようにランドをつけたりしていますが,これらが性能に直結するかは正直わかりません.


到着!!

基板が到着したはいいんですが,ここで盛大に「やらかし」ていることに気づくのでした・・・・・

 

まぁ,その話は別途「やらかし」カテゴリーで取り上げたいと思います.

自作リニアレギュレータのSpiceシミュレーション

お久しぶりです.

今回は自作リニアレギュレータの簡易的な回路をLTspiceを用いてシミュレーションしていきたいと思います.


シミュレーション回路

早速ですがシミュレーション回路は下図の通りです.

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 とりあえず9Vから5.1Vが出力されることを目標とします.

なお,シミュレーションでは5.1Vのツェナーダイオードのモデルがないため6.2Vで行います.


無負荷での出力電圧測定

まずは無負荷で出力電圧を見ます.

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正負ともに6.2V付近で出ています.


無負荷でのドロップアウト電圧

次にドロップアウト電圧を調べます.

0Vから9VでDCスイープさせます.

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6.9Vあたりで出力電圧は横ばいになってますのでシミュレーションどおりにいけば約0.7Vになります.

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負電圧もだいたい同じ感じですね.


PSRR

念の為PSRRも見ておきます.

直流に交流スイープを重畳させて入出力間の振幅比を見ます.(10Hz-100kHz)

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正直なところ,正しくシミュレーションできているか怪しいですが最小で-43dB程度のPSRRを得られているかのような結果になっています.

(出力電圧÷入力電圧のボード線図引けばPSRRの周波数特性って見れますよね・・・?)


とりあえず,無負荷では正しく電圧が出そうということはわかりました.

実際に回路で動かしてみないとわからないことも多いので,あまりシミュレーションには時間を割かずに回路を起こしてみたいと思います.

 

次回はKiCadで基板を作成します.

自作リニアレギュレータの部品選定

こんにちは。AUDIY(    )です.

 

今回は前回に引き続き,自作リニアレギュレータの部品選定に取り掛かりたいと思います.

 

前回の記事はこちら.


電圧リファレンス

Analog Devicesは電圧リファレンスICなるものを生産しているようですが,今回はオーソドックスにツェナーダイオードを使いたいと思います.

 

電圧ですが,低ノイズ志向で作るのであれば5.1Vや6.2Vあたりが良いとのことです.

職場でこのことを聞いたときは目からウロコでした.

どうやら6Vを超えたあたりで支配的となる動作状態が変化し,ノイズが増えるようです.

 

ということで今回は電圧リファレンスに5.1Vツェナーダイオードを用います.

あとは許容損失で選んで行く感じになるかと思いますが,動作に必要な電流を小さくすればそこまで大きなものは必要ないかなと思います.

 

今回は0.2mA以上の電流で5.1Vを発生するRohmのUDZV5.1Bを使います.

www.rohm.co.jp


オペアンプ

せっかく電圧リファレンスが低ノイズでも,このオペアンプがノイズを吐き出してはもったいないのかなと思います.

 

下記記事のMSBのように2回路オペアンプを使って電圧リファレンス+フィルタによるインピーダンスをバッファで吸収するのもやってみたいですが,これだと部品点数がいかんせん増えますし,その分定数を煮詰めないといけません.

innocent-key.com

 

それは次世代以降のお楽しみとして,今回はオペアンプ1つでシンプルに行こうかと思います.

 

この回路においてどんな特性が支配的なのかは想像がついていませんが,多分ノイズ密度かなと思います.

オペアンプとしてはべらぼうに高くない,低ノイズ品が秋月にあるようなので以下を使ってみたいと思います.

 

2回路ありますので,これで正負両電源を制御できればと.

akizukidenshi.com


バイポーラトランジスタ

出力トランジスタおよび,ツェナーダイオードの定電流源に用います.

別品種を揃えるのも面倒くさいので,NPN、PNP各1品目で行きたいと思います.

 

低ノイズだと順当に2SA1312・2SC3324あたりでしょうか.

akizukidenshi.com

 

正直トランジスタは多すぎるので誰かオススメをご存知であれば教えていただけますと幸いです.


コンデンサ

低ESR品は前提として,PMLCAPを主軸に使っていきたいと思います.

ただしPMLCAPは容量が小さくなりがちなので,必要な箇所にはフィルムコンデンサも使うかもしれません.


抵抗

許容損失に注意しつつ,高精度なものを使います.

基本的にはチップ抵抗,電流が流れる箇所にはMELF 1/4Wなどで対応する予定です.

www.mouser.jp


必要な部品はこのあたりでしょうか.

 

次回はLTSpiceを使ってこれらの部品でシミュレーションしていきます.

 

やらかし定電流源

「やらかし」カテゴリーなるものを作りました.

このカテゴリーを見ればいかにAUDIYが電子回路素人かがわかるかと思います.


定電流源

AUDIYは定電流源の使い分けが未だにさっぱりです.

定電流回路については下記記事をよく参考にするのですが,

nw-electric.way-nifty.com

カレントミラーとフィードバックの使い分けなんてサッパリです.私はこの使い分けを明確にした記事を見かけたことがありません.

 

素人疑問ですが,そもそも「一方の電流値が変化してもう一方も変化するようなカレントミラーを定電流源として使っても良いのでしょうか・・・?」


供養

 ということで,今回やらかした回路を供養しておきます.

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やらかし定電流源

もともと上図の回路に対し違和感は拭えなかったんですが,下記記事を見て違和感の正体に気づきました.

tanukitanushi.com

 

いやーーーーーーーーー,ひどいw.

 

トランジスタのベース・エミッタ間電圧の本質が理解できていませんね.それとエミッタ抵抗でコレクタ側の電流値を決定するというのに・・・

 

そして2SC3324(NPNトランジスタ)を2SA1312(PNPトランジスタ)に変更しましたとさ.チャンチャン.

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直した定電流源